Albertの勉強記録

好きなように殴り書きします。文章力を鍛えるために殴り書きします。

5Gの衝撃を読んで

先日、父から読むことを進められた、小林雅一さんの5Gの衝撃という本を読んで衝撃を受けたというお話です。

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始めに

正直、私はこのようなビジネス向けの本?を読むのは初めてのことで、そもそもほとんど本を読まない(この本の前に読んだ本は、2年前に読んだシャーロックホームズの冒険)自分の解説記事など誰が読むのであろうかと思っているところではあるのですが、自分の備忘録として記事にしようと思いました。

5Gとは何かといった根本的な課題から、5Gの応用先、5Gの出現による経済の動向などが分かりやすく書かれています。
本書は大まかに4つのパートに分かれており、それぞれ、

  • 5Gとは何か、前時代の4Gなどと比べてどのようなものなのかの解説
  • 5Gによって活躍するであろう周辺機器について
  • 5Gをめぐる中国とアメリ
  • 5Gによる問題

という構成になっています。
次では、それぞれのパートで私の印象にのこっている部分を抜粋して、簡単に持論を展開していきたいと思います。

chap1 5Gとは

5Gの性能

本書には、国際標準化団体が定めた5Gの性能が書かれていました。
まとめると
伝送速度は従来の10~20倍.
遅延速度は4Gの1/10
同時接続数は100~500倍

とのことです。
これだけ見ると、5Gというのは非常に魅力的でなぜさっさと5Gのネットワークを引かないのか私は疑問に思いましたが、そこにはやはり理由がありました。

5Gを開始するにあたってのコスト

5Gはアメリカの一部の地域ではすでに限定的にサービスが開始されており、アメリカでは何人かの人がそのレビューをすでにしています。
ある記者によると、5Gの速度は本当に早く非常に快適だそうです。(sooo fastと言ってたらしい)
しかし、それは5Gの基地局のすぐ近くでの話であり、基地局から3~400mも離れると5Gはつながらなくなり4Gになってしまったそうです。つまり、電波のつながる範囲が非常に限定的になってしまうようです。
これは、利用している電波の周波数によるもので、利用されているのがハイバンドであるのが原因だそうです。逆に、周波数の高くないミッドバンドでは、そのカバー範囲は非常に広くなるとのことです。しかし、ミッドバンドでは平均速度がハイバンドに比べ劣るということになっています。
では、ハイバンドでカバー範囲を広げるにはどうしたらいいのか?答えは単純で基地局を増やすというものです。しかし、基地局を増やすにはそれなりのコストがかかります。
これは私の予想ですが、かかるコストは大まかに、基地局を作るための製造のコストと、それを置く場所を得るためのコスト、さらには設置工事のコストとそれを維持管理するためのコストなどなどです。

5Gのキラーコンテンツはゲーム?

3Gでは音楽のダウンロードが早くなり、音楽業界に、4Gでは動画のストリーミングが快適になりNetflixAmazon primeなどの動画配信サービスが成功してきました。
そして5Gではゲーム業界が熱いということです。それも、今までのような隙間時間に手ごろにできるライトユーザ向けのゲームではなく、専用プラットフォームなどを利用していたヘビーユーザー向けのゲームをスマホで利用できるようになるということです。それは、クラウド型ゲームプラットフォームという形で実現します。
これにより、5Gの広がりからゲーム業界が活発になると予想されます。一般的なゲームで許容されている遅延は数十ミリ秒であるのに対し、今までのクラウド型ゲームでは数百ミリ秒の遅延が発生していました。そのため、ヘビーユーザーにとってはストレスとなり、クラウド型ゲームはあまり注目されていませんでした。しかし、5Gを利用することにより、高度なグラフィックや大量の処理が必要なシミュレーションゲームスマホで利用できるようになるとされています。これは、5Gの利用が必要ですが、さらにエッジコンピューティングという技術も必要となります。5Gはあくまでスマホ基地局間の通信であり、基地局からクラウドサーバーへの通信に多くの時間がかかってしまい、結果的に遅延が大きくなってしまいます。そこで、基地局のすぐ近くにサーバーを設置することでこの遅延をなくすというのがエッジコンピューティングの原理です。
これもまた、大きなコストがかかります。

5Gと自動運転

本書にも書かれていた通り、私も勘違いをしていたのですが、5Gと自動運転技術を組み合わせるというのはクラウドのサーバー上でそれぞれの車の位置を把握して自動的に運転させるというものではないということが書かれていました。つまり、自動運転を確立している技術自体は画像認識やセンサでの距離探知など今までとは変わらない方法であり、補佐的に5Gで外と通信することで道路の混雑状況を考慮したルートの作成や、マップの更新などを行うといったものです。

chap2 5Gの応用

VR/AR/XR

5Gの進出によりXRの産業が加速すると言われています。しかし、今までVRの産業が爆発的に売れたということはなかったようです。それはVR機器の遅延による3D酔いや、VR機器自体のコストが高い問題などが原因だったと思われます。そこで、脚光を浴びたのがARですが、こちらはポケモンGOが世界的に大ヒットしました。これは革新的な技術力によって生み出されたものではなく、いたって平凡な技術の組み合わせによって作成されたものでした。よって、これはARの大きな成功とは呼べないのではないかというのが私の見解です。
さらに、googleはMR端末として、google glassなるものを販売していたそうです。これはメガネ型の端末であり、入力として音声認識を利用します。よって、周りから見るとひとりごとを大声で言っている痛い人みたいなことになり、根暗なオタクが使うものというようなレッテルが貼られてしまい、売れませんでした。
現在はappleがsmart glassという名前で同じような商品を開発中だそうで、appleのブランドとセンスがあれば、同様の失敗は避けられるのではないかと期待しています。
このような、MRの技術は生産業の新人研修に使われたりしているそうです。MR機器によって新人の育成にかかるコストを大幅に減らすことができるそうです。
さらには、カスタマーサポートにも生かせるのではないかとのことでした。電話対応の際に実際の端末を用意して、対応するのですが、MRの技術があれば実際の端末の代わりにバーチャル空間上のコピー端末で済みます。ですので、どこからでも電話がつながれば対応可能になり電話対応のテレワークなども可能になるとのことです。このような技術はまだまだ発展に期待できそうです。

遠隔手術

もう一つ言及されていたのが5Gを利用した遠隔手術です。これはもともと、軍事的に医師が危険な戦場まで足を運ばなくとも戦場の人間を手術することができるようにと開発されました。それから、いくつかの地域でたびたび遠隔による手術というのは行われてきました。遠隔手術では医師の手ではなく機械的なアームが手術をするので人間には不可能な動きも可能です。そのため、メスを入れる範囲を最小限に抑えることができ、手術後の患者の回復が一般的なものに比べて早いなどのメリットがあります。しかし、一部では機械での手術は危険なのではという疑問もあります。実際、遠隔手術のほうが従来の手術に比べて死亡率が高いケースも報告されており、一概に遠隔ならよいとも言えません。しかし、5Gが導入されれば忙しい医師の移動時間を短縮できる遠隔での手術というのは脚光を浴びることになるでしょう。

chap3 中国vs米国

5Gの出現以前から中国はめまぐるしい発展をしてきた。もちろん5Gに関しても、中国は先駆けて2019年より国営キャリア3社によって5Gが導入された。驚くべきことはその値段であり、月額を他の国の1/2以下に抑えていることである。さらに、5Gの基地局数も他の国を大きく引き離した1位である。これは、ライバル国アメリカにとってはあまり気分のいいものではない。情報社会にとっての5Gというのは、流通業にとっての道路のようなもので業界を発展させるのに必要な基盤となりえる。よって5Gをいち早く制することは情報社会を制することにもつながる。なのでアメリカにとっては非常に由々しき事態である。

米国から敵視されるファーウェイ

中国のIT大企業の一つファーウェイは通信機器を取り扱っているメーカーである。もちろん5Gに使われるような機材も取り揃えている。世界におけるファーウェイの通信機器のシェア率は非常に大きいが、様々な通信機器に関わっているため、製品を通して各国の情報が中国へ流れ出ないかという懸念の声が上がっている。アメリカでは各国に対してこのリスクを呼びかけ、世界中でファーウェイ製品の取り扱いを取り締まる動きが出てきている。

chap4 5Gによる問題

最後のチャプターでは5Gによって引き起こされる新たな問題について記載されていました。

プライバシーの問題

現在中国にはたくさんの監視カメラがあり、それらによって犯罪者の取り締まりが厳しくなっています。5Gの技術と人工知能による顔認識システムを利用することにより、犯罪者の取り締まりを強くしているのです。しかし、これは一般人にとってはプライバシーの問題になりかねません。私個人の意見としては、プライバシーの問題よりも犯罪率を低下させるほうが優先度が高いと思うのですが、サーバーにためられた個人の画像データなどが流出して新たな犯罪が生み出される可能性も出てくるので、警察に顔認識システムの利用を許可するかが今後問題になるとされます。

セキュリティーの問題

これは、5Gによって各端末からのアップロードも向上することに起因します。つまり、企業には今まで以上にデータが蓄積されるわけですが、蓄積されたデータが流出した場合の被害が今まで以上に大きくなるということです。今後はこのような事態に対処するために暗号化の技術などセキュリティーの技術が重要視される時代になるかもしれません。

まとめ

5Gによって世界は大きく動いていくと予想されます。
現在はメディアが報道している内容がほとんどコロナ関係の暗いニュースばかりですが、その先には最先端のテクノロジーが見せる明るい未来が待っているかもしれません。

ここで、紹介した内容は著者の「5Gの衝撃」のほんの一部です。より詳しく見たい方はぜひ自身で購入してみてください。あなたの知見が広がると思います。